![]()
|
近年、エアロビックが体操競技の一つのジャンルになったことで、この種目の競技性が大きく変貌し、競技性の考え方に二極化が生まれている。これにより、エアロビック競技とはどのような競技であるか、ということが不透明なままとなっている。このような状態を放置していては、この種目において競われているものが一体何なのかが曖昧になり、この競技の成立が危うくなる。さらには、当然このままではこの種目の実り豊かな発展ということも望めない。本研究は、エアロビック競技がどのようなものであり、そこで何が競われ、どのようにして勝敗が決するものであるかということ、すなわちその競技性を明らかにするための前提として、この競技がどのような歴史を辿って現在の状態になったのかということを、競技発達史的な立場から考察しようとするものである。その結果、エアロビック競技が現在のような状態になるまでの背景にあった、通時的、共時的な思想的な動感枠組みを明らかにするとともに、そうした枠組み構造を踏まえた上で、今後この競技がどうあるべきか、ということについても一定の示唆を与えることができた。 |