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「人は,入力画像中のいかなる対象物を目立つ対象物として抽出するか」,また,「その判断は, いかなる要因に基づいて行われるか」ということを知ることは人工知覚を実現するために極めて重 要なことである.これまでに,脳の視覚野などに存在する種々の同心円型のDOG フィルターによ って抽出されるコントラストが要因として取り上げられてきた.本研究では,コントラストが唯一 の要因ではないと考え,その他の重要な要因として,「視野内の位置(偏心量)」や「対象物の大き さ」を取り上げた.そしてこれらの量と目立ち度の関係についてタッチ付ディスプレイを用いて定 量的に調べた.その結果,1)偏心量とともに目立ち度は単調に減少する,2)下視野の方が上視野に 比べて目立ち度は有意に高い,3)左視野に比べて右視野の方が目立ち度は有意に高い,4)右上視野 と左下視野の目立ち度には統計的有意差はない,5)対象物の大きさに伴って目立ち度は単調に(対 数関数的に)上昇することが分かった. |