本研究では、観光の中でも地域発展/環境保全/人材育成などに寄与すると言われ、地域生活環境をそのまま観光資源化するCommunity-Based Tourism(CBT)に着目する。サハラ以南アフリカ(SSA)からタンザニア(TZ)を事例として取り上げ、とりわけ途上国における観光の発展に不可欠な存在である「女性」に焦点をあて、観光がもたらす地域発展と女性の社会的自立の関係性及び可能性を開発学、観光学、社会学等の複眼的(学際的)視点から検証、考察することを目的とする。また現地調査を通じ、女性の自立に向け観光分野において現在どのような手法が講じられているか、その独自性や汎用性、限界について明らかにすることにより、観光開発を通じた援助施策として、SSAの地域発展や人材育成の面でより具体的な提言を行う。