本研究では、旅によるリトリートと宿の役割、特にELの可能性についてタンザニアのELを事例に検討することを目的とした。旅によるリトリートは一時的にでもそれを提供することができるという点で個人のレジリエンス維持に一定の役割が果たせると考えられ、エコロッジは単に宿泊施設として環境保全や地域社会に貢献できるだけでなく、旅をする主体に対しても幅広い意味での「再生」を促せるような空間の提供が可能であることが理解できた。したがって、ELは単なる宿泊施設とは異なった旅の目的地として機能する可能性を持つ、と考えられる。