本研究ではアフリカにおける観光資源の多様性を示し、また開発の後発性の影響を示す一つの例として、ジブチを取り上げた。
本研究の目的は、以下の2点にある。
① 現在のジブチの観光資源を把握し、観光開発の可能性を検討する
② 観光開発後発国としての可能性と課題を考察する
世界銀行の予測によれば、ジブチは2030年までに最大50万人の観光客を誘致できるという。この目標値は非常に野心的な設定ではあるが、紅海を中心とした海洋資源による観光需要は既にあり、今後は既述の遺産を用いた観光需要の可能性も考えられる。今後、国内外の観光客を受け入れるための受け皿を中心に開発計画を策定、実施し、政府が目指すDXを中心とした開発が進み、民間事業者が参入しやすい状況が整えられれば、この予測値の実現可能性も向上すると考えられるだろう。