5-アミノレブリン酸(5-ALA)はいくつかの有用な生化学的効果を示すことが報告されている一方で、protoporphyrin IX(PP IX)の前駆体でもあり、光照射を受けることで細胞内の活性酸素種(ROS; reactive oxygen species)のレベルを高める。これを利用したphotodynamic therapy (PDT)による癌細胞の細胞死誘導に関する研究が活発に行われている。一方で、正常細胞に対する5-ALAと光照射の影響についての懸念も残り、その影響について解明が必要である。我々は過去に青色光がメラノーマの細胞内ROS量の上昇と細胞死を誘導することを報告している (Sato et al., 2014, Cell Biol. Int.)。本研究では、B16F1マウスメラノーマ細胞とヒトケラチノサイト細胞株HaCaTを用いて5-ALAおよび青色光 (475 nm)がゲノムDNA損傷に与える影響について研究を行った。DNA損傷の検出には種々のコメットアッセイを行い、DNA double-strand breaks (DSB)、single-strand breaks (SSB)、DNAの塩基損傷の評価を試みた。