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本研究の目的および課題は、ペパーミント栽培時の光環境条件から、芳香成分濃度を連続的に予測できる統計または機械学習モデルの構築である。すなわち、ペパーミント栽培時の環境条件を変えることで、ペパーミントの「香り」を自在に制御できる技術の開発を目指す。背景として、ペパーミントの品質要素の一つである「香り」は、複数ある芳香成分の濃度バランスにより決定される。この濃度バランスの制御には、芳香成分濃度を定量的に制御する必要がある。芳香成分濃度の定量制御を行うには、栽培時の環境条件から芳香成分濃度を予測する手法が求められる。 本研究の成果により、栽培時の環境条件を制御できる人工光植物工場を用いたペパーミント生産者は、生産者が望む任意の「香り」を生産物上に発現させる有効な手段の一つとなる。さらに、本技術は「食の安全性」や「ヒトの健康」を担保する技術として社会に貢献する。なぜなら、本技術を用いて作物の代謝物濃度を個別に制御することで、ヒトに有用な成分濃度は増加させ、ヒトに害を与える成分濃度は低く抑えることが可能になるためである。 |