ELFセンター(English as a lingua franca:国際共通語として英語)は、ある東京の私立大学において、先駆け的に設立され
た。背景には、国際共通語としての英語使用の普及があり、それを教育現場で実践的に取り入れることを目的としている。この
ような考え方は、ELFに最も影響があるべき研究者や教育者の間にまだ広まっていない(Seidlhofer, 2011)。ELF使用者のほ
とんどは、第一言語が異なり、英語を第一言語とする人との交流よりも他のELF使用者との接触の機会の方が多い。このよう
なELFとしての英語使用への移行は、特別なものと捉えられるというより、言語の進展と考えられる(Seidlhofer, 2011)。本稿
では、日本での教育や学習におけるこの言語移行過程の在り方を探る。ELFが現在の教育実践の場でどのような影響を与えて
いるのかについての中間報告である。