本稿では、米国の連邦、州、学区、学校の連動に着目し、「一人の子どもも置き去りにしない教育(NCLB)法」に基づく学校評価の実態を明らかにした。ミネソタ州は1990年代中期以降に州独自で整備してきたアカウンタビリティ・システムをNCLB法に基づき、再編成した。一方で、事例とした学区や公立小学校は、ミネソタ州と連動しながらも、それぞれの独自性を保持しながら、運営を行っていた。画一的な評価システムの適用が引き起こすマイナス面として一律的なテスト実施等が指摘される。補助金を獲得し続けるためには一定の成果をテスト得点向上により示さなければならず、補助金獲得が目的となってしまう危険性も指摘した。