本発表では,教員評価制度における成果報酬に連動した勤務評価に対する被評価者の「納得度」の実相とその影響要因を明らかにすることを目的とした。明らかにした第一は,教員評価制度に対する意識について,自己申告による目標管理及び勤務評価の効果に対して,肯定的な意識と否定的意識が混在していた。第二は,日常の校長との関係と校長の評価姿勢・評価力について,日常の校長との関係に対して,全体として,肯定的な意識であった。第三は,処遇反映結果(成績区分)に対する意識について,処遇反映結果(成績区分)に対して,「自己評価通りである」という意識であった。また,処遇反映結果(成績区分)に対する納得度と理解度については,両者ともに比較的肯定的な意識であった。第四は,新しい人事評価制度(成果報酬に連動した勤務評価)に対する意識について,制度の目的と仕組み・内容の認識(「知っている」)は,比較的肯定的なものであった。一方で,それらの妥当性に対して,否定的な意識であった。また,制度における結果及びプロセスの公正性に対して,否定的な意識であった。第五は,処遇反映結果(成績区分)に対する納得度及び理解度に影響を及ぼす要因が見出された。