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この論文は、20世紀のアジアとヨーロッパの伝統演劇において、俳優トレーニングの普遍的な原理に焦点をあてる。この研究はユージェニオ・バルバに負う所が大きく、世阿弥の奥義に対する執着とグロトフスキの演技における秘儀的な真理への探求との類似性を探っている。私は、俳優・歌手・舞踊手の技術力、継続性への重要度に対するグロトフスキの研究が、世阿弥による伝統的な能の世界と対をなしているとの主張を試みる。さらに、世阿弥による能の儀式的な要素と、グロトフスキの実験劇場が、シャーマニズムとどのように類似しているかをも探り、本論ではシャーマニズムの典型例を通して、演劇空間という概念における俳優が役になりきるということと、シャーマニズムにおける憑依現象とがいかにして同等であり得るかについても探求する。 |