この論文は、私が平成12年に創作・演出した『崩れ落ちた破片(Debris)』という舞台の創作過程における理論と分析である。私はリハーサル過程の記録方法と、言語的ではなく視覚的な演技の分析と記述方法を工夫し、芝居のポイントとなる瞬間はイメージとして描写するために舞台写真を用いながら論証した。また理論的には、ローランド・バースやジャック・デリダによって導かれた理論、ハル・フォスターの著書から引き出されたポストモダニズムの理論を活用した。