デザインは個人のセンスにアウトプットが依存する側面が認められる一方で,プロセス全体が深い影響を与える領域でもある。それゆえデザイン教育では,学生のセンスのみにアウトプットを依存させるのではなく,クリエイティブな思考を導出する発想法を予め教員が理解しておく必要がある。そこで本稿は,研究代表者のゼミ生でありデザインコンペティションで多くの受賞・入賞歴を持つ学生を対象に,作品(図1)の制作アプローチに関するインタビュー作業を行い1,デザインのプロセスと発想法に関する知見を得ることを目的とする。これを通してクリエイティブな発想を生み出す指導モデルを検討し,個人のセンスに依らない優れたアウトプットを創出するためのデザイン教育の方法論の一助となることを目指す。