一人一台のタブレット端末環境の特徴を活かす協働学習の形態として,個人活動とグループ活動を往復するような集散型学習を提案し,そのための協同学習システムを開発した.このシステムは,複数のタブレット端末を合体させて一枚の紙のように扱うことができ,また,グループ活動の結果を個人のタブレット端末に分配コピーする機能を持つカード型の思考支援ツールである.大学生を被験者とした評価実験の結果,このツールのユーザビリティに概ね問題がないこと,また,このツールが個人活動とグループ活動の移行を支援できていること,そのことによって新たな気づきや新しいアイデアが生まれることが明らかになった.一方,分配コピーにより画面上のカードが増えることによって思考や議論が妨げられてしまうことも分かった.