生徒による自作教科書作りの活動を行い,毎授業後のアンケート用紙や完成した自作教科書に「わかりやすくするための工夫」を記入させた。この工夫について分析することを通して,通常は学び手である生徒が考えるわかりやすさの要件について明らかにすることを目的として考察を行った。その結果次のようなことが明らかとなった。「生徒が多く取り入れた工夫」から見た「生徒が考えるわかりやすさの要件」として次の6点が挙げられる。(1)表やグラフや図を用いる。(2)実際の実験の様子を写真撮影し掲載する。(3)具体的な例を挙げる。(4)要点を絞るなど端的な表現にする。(5)語句の字体や色を変えるなどして強調する。(6)見出しの色を変えるなどする。これらの「生徒が考えるわかりやすさの要件」は上記(1)から(3)までが該当する「詳しさ」と,(4)から(6)までが該当する「見やすさ」に大別できる。一方,「実際の実験データを示す」という工夫は生徒により判断が分かれた。実験デー