本研究では,自由な探究活動に現れるgatekeeperとend userとの会話を調査するとともに,それらの役割を果たす生徒の学習内容の達成度の状況を調査した。そして,達成度の異なるgatekeeperとend userの役割を果たす生徒同士の会話の内容を分析した。その結果,gatekeeperの生徒とend userの生徒との間では既有の経験や知識に関してgatekeeperが自然発生的に現れ,そこでは考え・経験交換の行われる学び合いが行われることが明らかになった。さらに,それは達成度が相対的に上位であるか,下位であるか,あるいは同じであるかに依存しなかった。目標が明確で自由な探究活動を保証することにより,達成度の違いを問わず,自然発生的にgatekeeperの役割をする生徒が現れ,考え・経験交換が行われる学び合いが促されると言える。