本研究は,中学生が教師役となる理科の出前授業を2つの小学校で行った。二度の授業の分析と一度目の授業後に行った授業検討会での話し合いを分析した。その結果,中学生は,2度目の授業を小学生が主として活動する授業デザインに改善していた。授業検討会での話し合いでは,「経験交換ケース」の話し合いが行われ,話し合いの内容で用いられた知識領域は,「教材」,「教授」,「学習者」の3領域を網羅していた。このように教師役が中学生であっても,3領域の知識を表出し合う「経験交換ケース」のグループにおける話し合いが有効に作用すれば,授業デザインを見直し向上した授業を実践できることが明らかとなった。