本研究では,小学校6年生「電磁石のはたらき」の実験記録作成場面において,コンピュータ操作スキルの向上と,実験記録の記載内容の質的な向上について,デジタルポートフォリオの利点を生かした評価法活用の視点からその効果を検証した。その結果,ポートフォリオをデジタル化したことにより,評価場面での学習者同士の相互作用が促進されることや,評価の交流により生じた学び合いが,実験記録をわかりやすくまとめるための有効なツールとなり得ること,デジタルポートフォリオを話し合い活動の中で活用することで,教師は教示のための時間を削減し,評価のための時間を生み出すことができることが明らかになった。つまり,学習者は,学び合いによって,デジタルポートフォリオ活用のための操作スキルを高め合い,わかりやすい実験記録を作成していくことができたのである。