本研究では,新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い,これまでオフライン(対面)で行っていた玉川大学観光学部のインターンシッププログラムを,オンラインにより実施したことによる効果,そして,問題点・課題について,学生へのアンケート調査,協力企業等への聞き取り調査の結果をもとに考察した。
今回のオンライン・インターンシップによる実証研究は,オフラインによる就業体験に特化したこれまでのインターンシップのメリット・デメリットを明確にしただけでなく,オンラインだからこそ得られた新たな産学連携の創造のきっかけとなった。企業側においては,新たな社員教育,新しい事業創造の機会につながるという利点がみえた。そして,大学側においては,学生の就業意識の向上,実務体験の欲求拡大,就業先への訪問意識の高まりにつながり,観光教育における新たな可能性を見出すことができた。その一方で,実際に学生が提案したプランを実践・検証させる機会の創造が,教育効果を高めるために必要不可欠だという課題が明確になった。
本稿では,こうした課題を解決していくために,①アフターコロナに向けたO2O(Online to Offline)プログラムの創造,②アフターコロナに向けたキャリア教育における新たな産学連携,についての提案を行った。