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「未完のプロジェクトとしての<人間の完成>カントの『実用的見地における人間学』に関する人間学史的覚書」を担当 p.1-37 概要 「人間の完成」を、カントがどのように理解しようとしていたのかという点について考察した。カントは文化の進歩の最終的目的を「人間」の自己完成を実現することに見ていた。しかしその目的地への道のりは決して一直線ではない。人間の完成への道は、他方で活動の減退による動物性への道へと逸脱する危険をはらむ。『人間学』を人間学の歴史的転換点として読むとしても、単に近代思想の完成者の著作としてではなく、「身体の理性」を具備した存在としての人間の個的自覚から出発する人間の進歩と完成の連帯の試みという、近代思想批判の側面から読み直すという視点を強調した。 |