「人間学における学びの位置 ロックの場合」を担当 p.1-32
概要 人間形成にとっての学びが重要な役割を果たすとする考えをロックに立ち戻って考察した。近代初期は未だ中世以来の伝統的決定論的人間観が残っていた時代である。学びを人間の形成可能性と関係づけて論ずることは、自明なことではない当時においてロックは宗教的表現に囚われることなく人間が経験によって形成されていくさまを描出しようとした。ロックの時代以後人間研究は人間一般の研究から、次第に個人としての人間の研究へも領域を広げ、人間研究における経験的研究の始まりを示す出来事として近代以降の人間研究を特徴づけていくことになる。