「倫理学」からは一歩距離を置いていたヤスパース哲学を、実存的な〈訴えかけの倫理〉として浮き彫りにすることによって、そのアクチュアリティーを問い直すとともに、ヤスパースの倫理思想が前期の〈実存倫理〉から後期の〈理性倫理〉へという展開を遂げたことを解明する。