Ⅰ.研究の背景
現在,エアロビック競技は国際体操連盟(Federation International de Gymnastique)が統括する体操の一分野として試合が行われている.近年,高難度の技が次々と申請され,技の技術も高度化し続けている.しかし,技に関する指導書や指導法に関する研究は数少なく,エアロビック競技は,体操競技と比べて技の技術研究が立ち後れている状況にあると言える.
エアロビック競技の跳躍系の技は,他の支持系や柔軟系の技と比べて数が最も多く,高難度のものが多い.そのため,この跳躍系の技をいかに美しく実施し成功させるかが高得点を得るために重要になるのであり,そこでは,正しい技術を身に付けさせるための指導方法の確立が喫緊の課題として浮かび上がってくることになる.
Ⅱ.研究の目的
そこで,本研究では,エアロビック競技における跳躍系の技の指導方法論的研究の前提をなす構造体系論の構築に向けて,金子(1974,pp.176-200)による体操競技の技の体系論的構造論に依拠し,この系統に属する技の成り立ちをどのような拠点から解明すれば良いのかについて検討する.その方法としては,金子(1974,pp.45-61)の表記論における「基本語」と「規定詞」の中から,エアロビック競技の跳躍系の技の本質的構造を捉える上で有効とみられる拠点を洗い出し,整理する.