アフリカツメガエルは演者を含めた多くの研究者が実験材料に使用しており、発生の研究分野では両生類の代名詞にもなっている。しかし一般的に“カエル”と言えば、ヒキガエル、アマガエル、トノサマガエルなど日本に生息しているカエルを思い浮かべる生徒が多い。現在出版されている5社(啓林館、実教出版、数研出版、第一学習社、東京書籍)の高校『生物』の教科書では、数研出版だけがカエルの発生のモデルとしてアフリカツメガエルを採用しており、残り4社はヒキガエルを採用している。また、多くの資料集がヒキガエルを例に、美しい写真とわかり易い図を使ってカエルの発生過程を解説している。ヒキガエルがモデルになっているのは、「伝統的にそうだから」が一番の理由だと思う。その他の理由や特長を挙げれば、身近な場所で観察や採集できる、紐状の寒天質に包まれた卵を見つけやすい、卵や胚が大きくて観察しやすい、カエルに変態するまでの期間が1ヶ月程度と短い、と言ったところであろう。今回の発表では、カエルの発生の学習教材として一般的なヒキガエルを用いて、生徒たちの興味や関心を惹くとともに、教員が比較的簡単に低予算で作成/作製できる2種類の教材を紹介する。