2000年代に入ると地場産業に関する研究は、産地企業の製品差別化、海外事業展開等に焦点が置かれるようになる。近年、中小企業研究として地場産業を捉える場合は、産地企業を取り上げているとはいえ、産地企業の個別事例に着目し、個々の存立維持の可能性に着目しているケースが目立つ。
本研究のリサーチクエッションは、中小企業研究としての地場産業の位置づけは、個別中小企業の経営戦略に留まってよいのだろうか、地場産業は中小企業の集積地であり、産地内企業間関係の分業構造が存在することで存立維持が可能となるのではないか、という点である。本研究では、主に関東地方に存在する地場産業に焦点を置き、問屋と産地メーカーとの新たな分業構造を明らかにする。