本研究は,資源依存からの経済多角化を進めるブルネイにおいて,居住者の日本イメージと訪日意向の特徴を一次データにもとづき探索的に明らかにすることを目的とする。まず外務省資料,統計年鑑,既存研究を参照しつつ,歴史・文化・起業環境および観光の位置づけ,ならびにコロナ禍前後の国際移動と訪日外客数の推移を整理した。次に2025年3月の玉川大学観光学部小林等ゼミ海外研修の一環として,3月22日にブルネイのバンダル・スリ・ブガワン市内でアンケート調査(英語版のGoogleフォーム,便宜抽出,n=37)を実施し,単純集計・年齢別クロス集計と自由記述の簡易内容分析を行った。結果として,日本への好感度は92%,日本人への好感度は約89%と高く,食(寿司・ラーメン等)やアニメ等の生活文化を通じた関心が顕著であった。訪日意向は95%と高い一方,訪日経験は27%にとどまり,希望訪問地は東京・大阪・京都が上位であった。情報源はInstagram,YouTube,TikTok 等SNSが中心で,年齢層により主要プラットフォームの差も確認された。自由記述には肯定的評価に加え,「漢字」「災害」への不安も示された。以上の結果から,SNSを軸とした情報発信,英語による案内や防災・安全情報の提示,礼拝・ハラール等の受入環境の可視化が,訪日意向の行動化に資する可能性が示唆された。なお,本調査は便宜抽出による小標本であり,結果の一般化には慎重を要する。