急速な人口減少にもかかわらず、近年まで日本では、低技能の移民労働者は、技能実習のような「サイドドア」を通じてのみ受け入れられてきた。2018年、法務省はそれまで外国人労働者の参入をほぼ認めていなかった分野において、短期の労働制度である特定技能を導入した。技能実習制度と組み合わせることで、これらの労働者はより長期間の滞在が可能となった。しかし、このような変化は何を意味するのか。農業分野において、雇用主はそれをどのように受けとめているのか。そして、特定技能制度は今後、持続可能な農業労働力の供給につながるのだろうか。本稿では、現行制度に対する関係者の見解と、農業分野における低技能労働移民が今後どのように進められるべきかについて考察した。雇用主は深刻な人手不足に直面しているが、希望する雇用条件というものがある。特定技能制度の下で、雇用主は移民労働者をどのように捉え、どのように扱うかについて、従来の考え方を変えることを求められていた。雇用主の期待と現場の現実との間に生じる緊張関係は、日本の移民政策が内包する矛盾を反映していた。本稿のデータは、2018年から2022年にかけて、京都、愛知、東京で実施した質的インタビューに基づいている。