『Concrete Asia』は、1950年代から1980年代にかけてアジア13か国に建設された、200を超える建築物や構造物を紹介する一冊です。アジア各地の建築家たちは、モダニズムの進歩的な造形言語を受け入れながら、それぞれの地域の気候、材料、社会状況に適応させていきました。そこから生まれたのは、紛れもなくモダンでありながら、ラディカルで、しばしば奔放なまでに装飾的で、独特の個性を備え、何よりも見る喜びを与えてくれる建築です。ありきたりの建築には飽き足らない愛好家たちが夢中になるのは、まさにこうした建物です。しかし、ブルータリズム建築を扱う従来の書籍では、その多くが取り上げられてきませんでした。
『Concrete Asia』は、アジア各地の先駆的なモダニズム建築とブルータリズム建築を一冊にまとめ、コンクリートがアジアの都市景観をどのようにつくり変え、近代化の基盤を築いてきたのかを示します。戦後の独立や復興の動きは、大規模な建設事業を促し、アジア各地にコンクリートによるスカイラインを生み出しました。こうした建築は今、鉄骨とガラスを用いた現代の建物に取って代わられつつあります。一方で、解体の危機を背景に、これらの先駆的なコンクリート建築を記録しようとするオンライン・コミュニティが、草の根で生まれ、広がりを見せています。
掲載された建築は、アジア各地の寄稿者によって選定され、本書のために新たに撮影されました。選定にあたっては、造形上の意欲的な試みと歴史的意義の両方が重視されています。各国の紹介に際しては、ジャスティン・チュアン(Justin Zhuang)が解説を執筆し、それぞれの建築を文化的・政治的な文脈のなかに位置づけています。(英語からの翻訳)