ヤスパースにおける「世界哲学」——〈多元的一〉という視点から
中山剛史
最近、日本では「世界哲学」を構築しようとする試みが行われつつあるが、ヤスパースはすでに1930年代に、「世界哲学」へとつながる構想を抱いていた。ヤスパースは、哲学はこれまでのヨーロッパ中心主義から脱却し、新たな「世界哲学」へと移行すべきであるとの見解をもっていた。ヤスパースの世界哲学は、「哲学の世界史」、「基軸時代」、「永遠の哲学」と密接に関連している。その意義は、あらゆる時代や地域の思想家たちによる世界的な対話の場を開くと同時に、時代や地域を超えて人類に共通する基盤を探求することにある。これは「多元的一」と呼ぶことができよう。
実存思想論集
知泉書館
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978-4-86285-801-6