1991年にEU加盟国内でスタートした「LEADER」助成プログラムは、EU諸国における農山漁村地域開発ツールの一つとして、特に注目に値する。本研究は、ギリシャ・エーゲ海地域で最もポピュラーな観光地、ロードス島とクレタ島をはじめとした地域において、同助成プログラムの実施管理を担当する組織「開発会社」が立案実施する地域開発ポリシーと、受益事業者の事業内容および同プログラムの恩恵について明らかにする。
2024年度は、国内の観光系学会としては最大の規模を誇る日本観光研究学会の論文集において、「EUの助成プログラムLEADERによる農村観光地域開発とボトムアップ・ アプローチの実相に関する調査研究 ―ギリシャ・エーゲ海地域を事例に―」の査読論文を掲載され、5月中旬に発行された。本論文は、論文規程による最多ページ数の20ページをフルに使用し、ギリシャ・エーゲ海地域におけるEUの助成プログラムLEADERの農村観光地域開発、すなわちLAGの機能やLEADERの運用ルール、そして採択事業例について細かに現地調査し、明らかにした、他に類を見ない研究論文となった。
また、同じく5月の24日には、所属する國學院大學たまプラーザキャンパスにおいて、「EUにおける農村開発とボトムアップによる観光振興を考える-LEADER助成によるギリシャ・エーゲ海島嶼地域の報告事例から-」というタイトルで、国際シンポジウムを大々的に開催した。これには、ギリシャのクレタ島とロードス島から、LEADERプログラムの運営主体となる開発会社2社より3名の専門担当者を招聘。おそらく日本初となるLEADERに関する国際シンポジウムとなった。本シンポジウムにおける参加者は140名を超え、終了前にはフロアからの質問が絶えない状況で、アンケートによる反響も大きかった。
さらに、12月に開催された第39回日本観光研究学会全国大会(於:大阪成蹊大学)においては、「EUの農山魚村地域助成プログラム「LEADER」と受益事業者の ケーススタディ ―ギリシャ・ロードス島とクレタ島を対象地として―」という論題で研究発表を行い、同大会論文集にも研究論文(6ページ)が掲載された。
これらの研究成果を実らせることができ、2024年度は、大変充実した研究年度であったと言える。