本研究では,舞台上におけるイッセー尾形の“台詞”と“身体”の組織化=協調構造の変化に注目し,役者の演技が変化すれば観客の反応も異なるという演劇表現の事実を手がかりに,演技の分析・比較をおこなった.研究手順としては,2001年の春・秋の両公演に上演された演目“ニチゲイ”を研究対象とし,観客の反応である“笑い”を分析・比較し,両公演で“笑い”に差異がみとめられる箇所を抜き出した.そしてその観客の“笑い”が起こるきっかけとなっているイッセー尾形の“台詞”の言語情報とパラ言語情報,“身体”のジェスチャーを分析し,春・秋公演間のイッセーの“台詞”と“身体”の協調構造の変化を比較し,考察した.