本研究では,2022 年度秋セメスターに「教職実践演習(中・高)」を受講した大学 4 年生を対象に実施した協働省察活動の実践を踏まえ,学生による深い省察を促すための方法論の可能性を論じる。取り組みの特徴として,(1) J-POSTL【英語教職課程編】と J-POSTL エレメンタリーの自己評価記述文(以下,「SAD」)を併せて学生に提示することで校種間の連携を意識させること,(2) 省察活動を円滑かつ的確に行うための枠組みを提供するリフレクションシート(以下,「RS」)を開発し,個人及びグループ単位の省察活動で活用したこと,(3) 省察の対象をスピーキング活動に限定し,深い省察を促したこと,が挙げられる。設定した RS の記述に対してテーマ分析を行った結果,「討議全般」,「教育実習の振り返り」,「教育実習以外の指導及び学修経験の振り返り」,「討議から学んだこと及び今後の抱負」という 4 つの大テーマから成る計 535 のセグメントが抽出され,中・小テーマを含む各テーマを通して学生がスピーキング活動について多面的に省察を行い,今後の課題を明確にしたことが示された。また,協働省察活動を通して自身の経験を越えた他者の経験や意見に触れることが可能となり,より深い省察に繋がったことが示唆された。