酵母における5-アミノレブリン酸(ALA)高含有菌株の探索およびALA高生産培養条件の探索
佐々木 慧, 田中 栄美, 菅 宗三郎, 木戸口 隆
日本生物工学会
北海道大学札幌キャンパス
5-アミノレブリン酸(ALA)とは、アミノ酸の一種であり、ミトコンドリアの増殖や機能向上などの機能性が報告されている。現在、光合成細菌を用いたALA生産が主流であり、サプリメントなどが販売されている。一方で、発酵食品に比較的多くのALAが含有されていることが知られておいる。本研究では酵母を用いたALA生産の可能性を検討した。菌株は、Sacharomyces cervisiae を中心に酒類総合研究所から分譲された様々な用途(清酒、焼酎、ワイン、ビール等)の菌株計20株を用いた。培地はYPD培地の他麹エキス培地など様々な酒類の基質を用いた培地で試験した。また、培養日数は3日から3週間、培養温度は10℃~37℃の各条件を検討した。培養した菌体を収集、破砕して菌体中のALA濃度を測定した。培地条件での実験では、ALA濃度は0~1.15 mg/OD660となり、今回用いた菌株と培地からALA濃度が高い条件を見出すことはできなかった。また、用途が同じ酵母においてもALA濃度に差がみられ、いずれの用途においてもALA濃度が高い、あるいは低い傾向は見られなかった。培養日数の検討では、3週間培養した際のALA濃度が3日間培養に比べて低下し、長期培養はALA高生産に寄与しなかった。培養温度条件の検討では、ALA濃度は最大で0.172 mg/1×1011cells(15℃)、最小で0.002 mg/1×1011cells(37℃)と、温度条件がALA濃度に影響することがわかった。