カントにおける合理的行為者性と自由:選択意志による実践哲学の再構築
佐藤宗大
本論文は、カント哲学における合理的行為者性を従来の「意志」中心ではなく「選択意志」中心に再構築することを目的とする。『純粋理性批判』の叡知的領域確立から第3アンチノミーの自由論、実践哲学の諸概念まで一貫して分析し、選択意志こそが経験的・理性的要因の双方から行為を規定する基礎的能力であることを論証する。成果として、選択意志の一貫した重要性を内在的に示し、意志中心の従来解釈に対する新たな理解を提示し、英米圏の行為者性研究との架橋可能性を開いた。