本研究では,ポートフォリオを取り入れたEFL自由英作文課題を継続的に実施し,生徒の自己評価がどのように変化し,教師による評価との一致度がどのように推移するかを検討した。振り返り活動がライティング能力の向上を促すことは広く認められているが,学習ポートフォリオは,こうした振り返りの記録や成果物を継続的に蓄積し,その変化を捉えるための体系的な手段となる。本研究では,「語彙」「内容」「構成」「正確さ」の4つの評価観点について縦断的データを分析し,授業を通して生徒の自己評価と教師評価との関係がどのように変化したかを検討した。
量的分析の結果,当初は生徒の自己評価と教師評価との間に有意な差がみられたものの,「内容」「構成」「正確さ」については,授業が進むにつれて両者の評価が次第に近づいていくことが明らかになった。一方,「語彙」については,両者の相関は中程度の水準で安定していた。これらの結果は,ポートフォリオを活用した指導が,生徒自身による評価基準の調整や振り返りを通した成長を促す可能性を示している。ただし,本研究は単一群を対象とした研究デザインであるため,こうした変化をポートフォリオ単独の効果として捉えるのではなく,授業における指導環境全体の中で生じた総合的な成果として解釈する必要がある。